明治30年(1897)1月24日に、青森で初めて電気のあかりが灯りました。当支店では、平成9年1月24日が100周年にあたることから、これを記念し「あおもり電気100年」としてコンサートの開催やミニ新聞の発行などをはじめ、さまざまな行事を展開いたしました。 |
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日本の電気事業の始まり |
日本で最初に電気が点灯されたのは、明治11年(1878)3月25日のことで、東京虎の門の工部大学校(現在の東京大学)の大講堂で開催されたパーティの照明用にアーク灯が点灯されたのが初めてでした。(この日を記念して今日では、3月25日は電気記念日となっています)。その後、試験的な点灯の段階を経て、明治19年7月には東京電灯株式会社(明治16年2月設立)か開業しました。開業当初は、移動式発電機による臨時電灯などの供給をしていましたが、明治20年11月には火力発電所で発電した電気を日本郵船会社、東京郵便局などへ供給し、架空配線による電気供給が始まりました。
以降、22年に大阪、京都、名古屋、23年に横浜、24年に熊本、札幌等、逐次電気事業が開業されていきます。 |
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東北における電気事業の始まり |
東北においては、明治21年(1888)7月に、仙台三居沢の宮城紡績(民営)が、紡績用の水車を利用して、自社の工場へ白熱電灯10燭光50灯、近くの山頂にアーク灯1灯を灯し、狐火と騒がれたのが始まりです。これがわが国最初の水力発電であり、同時に東北で初めて誕生した電気です。
その後、同社は工場の水車を日中は紡績に、夜間は発電に利用することを目的とした製糸と電灯を共営する宮城水力製糸紡績会社を開業し、明治27年7月に、この電力を仙台電灯株式会社へ卸売し、同社が受電して市内に配電する方式で、東北地方最初の電気事業が発足しました。
以降、引き続き福島、青森、新潟、米沢の順で電気事業が起こっています。 |
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青森県における電気事業の始まり |
青森県内では、明治23年(1890)に歩兵第五連隊の村上大尉が当時の青森町長柿崎中兵衛氏に、「電気事業は将来有望な事業であり青森町発展のためにも極めて益することが多い」と中央で見聞した事を説明し、電灯会社設立の必要性を説いたのがきっかけとなります。
柿崎町長は、大坂金助氏、渡辺佐助氏、淡谷清蔵氏など町内の資本家と相談、青森町に電気事業を起こそうと計画し、明治26年、資本金3万円、火力発電30キロワットによる1,000灯点灯の計画をもって県知事に出願申請し、同28年4月には営業認可を受けました。
その後、明治29年3月「青森電灯株式会社(所在地:青森町大字浪打1番地第2号、社長:渡辺佐助氏)」が正式に電気事業所として正式に発足、6月発電所建設、12月10日ボイラー火入れ式、同月24日所内試運転に成功しました。
明治30年(1897)1月24日には、試験点灯が行われ1200燭光のアーク灯が点灯され、これが青森県内において初めて、東北では3番目の電気点灯となります。
その後、電気設備の工事をすべて終え試験点灯及び竣工検査も完了し、明治30年3月5日に開業、3月10日には約250名を集めて盛大に開業式を行いました。開業当初は付近の商店や問屋、第五連隊の兵営へ供給し、需要戸数は151戸、点灯数は607灯でした。
青森県内の他の市町村においても、明治34年(1901)6月弘前電灯株式会社、次いで明治44年6月八戸水力電気株式会社が開業するなど延べ20近くの電気事業者が開業いたしました。
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青森県内の電気事業の変遷 |
明治29年 3月 |
「青森電灯株式会社」設立 |
30年 1月 |
24日、試験点灯成功 |
30年 3月 |
「青森電灯株式会社」開業 |
34年 6月 |
「弘前電灯株式会社」開業 |
44年 6月 |
「八戸水力電気株式会社」開業 |
大正 3年 7月 |
「七戸水電株式会社」開業 |
3年 7月 |
「野辺地電気株式会社」開業 |
5年 1月 |
「鯵ヶ沢電気株式会社」開業 |
5年10月 |
「大湊電灯株式会社」開業 |
8年 6月 |
「川内電気株式会社」開業 |
11年 7月 |
「奥入瀬電灯株式会社」開業 |
12年12月 |
「上北電気株式会社」開業 |
15年 7月 |
「大湊水電株式会社」開業 |
昭和 9年 4月 |
青森県は青森電灯、弘前電灯、八戸水力電気を統合し、「青森県営電気局」を開業 |
11年10月 |
東北地方の振興を目的とした「東北振興電力株式会社」が設立される |
16年 2月 |
東北振興電力株式会社が「日本発送電株式会社」へ統合される |
17年 4月 |
第一次配電統合により青森県営電気局が「東北配電株式会社」へ統合される |
26年 5月 |
電気事業市編成により東北配電株式会社と日本発送電株式会社(東北7県エリア部分)が統合され、「東北電力株式会社」が発足 |
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